ユーザーがバーチャルアシスタントに直接話しかけるといった、バーチャルアシスタントとの音声による対話を実現できます。それには、IVRやTwilio、IVR-AudioCodesなどのいずれかの音声チャネルを有効化して、そのチャネルでBotを公開する必要があります。
上記チャネルでユーザーエクスペリエンスを効率化するための、音声プロパティ設定がいくつか用意されています。それぞれ複数のレベルで設定が可能です。
- Botレベル − チャネルの有効化時
- コンポーネントレベル − 音声プロパティをBotレベルで有効化すると、さらに以下のようなコンポーネントの動作を定義することができます。
- エンティティノード
- メッセージノード
- 確認ノード
- 標準応答
- ウェルカムメッセージ
このドキュメントでは、音声通話プロパティがさまざまなチャネルでどのように変化するかを詳しく説明します。
チャネル設定
フィールド | 説明 | 適用可能チャネル |
---|---|---|
IVRデータ抽出キー | 入力されたデータを抽出する構文を指定 | IVR |
会話終了時の動作(バージョン7.1以降) | 会話終了時のBotの動作を定義します。以下のようなオプションがあります。
|
IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
通話終了ハンドラ | エラーが発生して通話が終了する場合に通話終了ハンドラとして使用する、ダイアログタスク名を選択します。 | IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
VXMLプロパティ | プロパティを追加をクリックします。VXML定義に使用するプロパティ名と値を入力します。
注意:プロパティと値は、IVRシステムのすべての通話フローについてVXMLファイル内で指定する必要があります。
|
IVR |
ASR確信度しきい値 | ||
しきい値キー | ASRの確信度を格納する変数です。このフィールドは事前設定されています。VXMLの内部での動作を理解していない限り、変更しないでください。 | IVR |
ASRのしきい値の確信度を定義します。 | IVRシステムが制御をBotにいつ引き渡すかを、0から1.0の間で定義します。 | IVR |
タイムアウトプロンプト | タイムアウトまでの時間内にユーザーからの入力が何もなかった場合に再生する、プロンプトテキストの初期値を入力します。いずれのノードにもタイムアウトプロンプトを指定しない場合、この値が使用されます。 | IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
グラマ | ユーザーの発話の検出に使用するグラマを定義します。
グラマ構文の詳細設定については、以下をご確認ください。 |
IVR |
一致なしプロンプト | 定義されたグラマ内にユーザーの入力が存在しない場合に再生する、プロンプトテキストの初期値を入力します。 一致なしプロンプトをいずれのノードにも指定しない場合、この値が使用されます。 | IVR |
バージイン | プロンプトの実行中にユーザーの入力を許可するかどうかを選択します。許可しない場合、ユーザーの入力はIVRがプロンプトを終了するまで受け付けられません。 | IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
タイムアウト | ユーザーの入力を受け付けるまでの最大待機時間を指定します。1秒から60秒の範囲で、ドロップダウンリストから選択することができます。 | IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
リトライ回数 | リトライの最大許可回数を指定します。1回から10回の範囲で選択することができます。 | IVR、Twilio、IVR-AudioCodes |
ログ | 会話のログをIVRシステムに送信したい場合は、 [はい] を選択します。 | IVR |
ダイアログノード設定
ノードの「音声通話プロパティ」パネルで、ノード固有のプロンプトやグラマだけでなく、タイムアウトやリトライなどの通話フローの動作を指定することができます。
「音声通話プロパティ」は、以下のノードとメッセージタイプにのみ適用されます。
- エンティティノード
- メッセージノード
- 確認ノード
- 標準応答
- ウェルカムメッセージ
音声通話設定フィールドリファレンス
以下のセクションでは、説明、ノードへの適用性、初期値やその他の主要な情報など、IVRの各設定について詳しく説明しています。
プロンプトについての注意事項:
- プロンプトはテキスト形式、スクリプト、音声ファイルの場所のいずれかの形式で入力できます。JavaScriptを指定するか音声ファイルを添付したい場合は、プロンプトのテキストメッセージボックスの前にあるアイコンをクリックして、モードを選択します。初期値はテキストモードです。
- 異なる種類のプロンプトメッセージを複数設定できます。ドラッグ&ドロップで、シーケンスの順序を入れ替えることができます。
- プロンプトは順序どおりに再生されているので、複数のプロンプトがあればプロンプトを2回以上再生しなければならない場合に重複が避けられます。
フィールド | 説明 | ノードへの適用性 | チャネルへの適用性 |
---|---|---|---|
開始プロンプト | IVRが最初にノードを実行するときに再生されるプロンプトです。ノードのプロンプトを入力しない場合、ノードの既定ののユーザープロンプトが再生されます。標準応答およびウェルカムメッセージのプロンプトを入力しない場合、既定の標準応答とウェルカムメッセージが再生されます。 | エンティティ、確認、メッセージノード;標準応答およびウェルカムメッセージ | IVR、Twilio、AudioCodes |
タイムアウトプロンプト | 指定された時間内にユーザーからの入力が何もなかった場合に、IVRチャネル上で再生されるプロンプトです。ノードにプロンプトを入力しない場合、ノードの既定のエラープロンプトが再生されます。標準応答およびウェルカムメッセージには、一致なしプロンプトを定義しない場合に再生されるタイムアウトプロンプトが設定されています。 | エンティティ、確認;標準応答およびウェルカムメッセージ | IVR、Twilio、AudioCodes |
一致なしプロンプト | ユーザーの入力が定義されたグラマ内のいずれの値にも一致しない場合に、IVRチャネル上で再生されるプロンプトです。ここでプロンプトを入力しないか、エンティティまたは確認ノードの [グラマなし] オプションを選択した場合、ノードの既定のエラープロンプトが再生されます。標準応答とウェルカムメッセージには、プロンプトを入力しない場合に再生される既定の一致なしプロンプトが設定されています。 | エンティティ、確認;標準応答およびウェルカムメッセージ | IVR |
エラープロンプト | ユーザー入力のエンティティが無効なタイプである場合にIVRチャネル上で再生されるプロンプトです。ここでプロンプトを入力しない場合、ノードの既定のエラープロンプトが再生されます。 | エンティティ、確認; | IVR、Twilio、AudioCodes |
グラマ | ユーザーの発話の検出に使用するグラマを定義します。
グラマ構文の詳細設定については、以下をご確認ください。. |
確認;標準応答およびウェルカムメッセージ | IVR, Twilio |
高度なコントロール | |||
これらのプロパティは、BotのIVR設定ページで設定されているプロパティを上書きします。 | |||
タイムアウト | ユーザーの入力を受け付けるまでの最大待機時間を指定します。1秒から60秒の範囲で、ドロップダウンリストから選択することができます。初期値はBotのIVR設定ページで定義されている値と同じになっています。 | なし | IVR、Twilio、AudioCodes |
リトライ回数 | リトライの最大許可回数を指定します。1回から10回の範囲で選択することができます。初期値はBotのIVR設定ページで定義されている値と同じになっています。 | なし | IVR、Twilio、AudioCodes |
リトライ回数超過時の動作 (エンティティノードにのみ適用) |
タイムアウト時やリトライ回数が指定された限度を超えた場合の動作を定義します。以下はオプションです。
バージョン7.3以降この機能は強化され、エンティティエラーカウントの超過において、トランスクリプションが有効になっている場合にプラットフォームがリトライ回数超過時の動作をトリガーできるようになりました。 |
なし | IVR、Twilio、AudioCodes |
バージイン | プロンプトの実行中にユーザーの入力を許可するかどうかを選択します。許可しない場合、ユーザーの入力はプロンプトが完了するまで考慮されません。初期値は [いいえ] です。 | なし | IVR、Twilio、AudioCodes |
VXMLプロパティ | [プロパティを追加] をクリックします。VXMLの定義で使用するプロパティ名と値を入力します。ノードや標準応答で定義されたこれらの値は、BotのIVR設定ページで定義されているグローバルVXMLプロパティを上書きします。 | なし | IVR |
ログ | IVRシステムに会話ログを送信したい場合は、 [はい] を選択します。初期値は [いいえ] です。 | なし | IVR |
録音 | 録音を開始する状態を定義します。初期値は [停止] です。 | なし | IVR |
グラマの設定
IVRシステムには、少なくとも1つの音声認識グラマを定義します。
システムが使用する既定のグラマはありません。このセクションでは、BotがIVRシステムで機能するために必要なグラマシステムを設定する手順を説明します。
IVRが有効化されているBotでは通常、ユーザーの音声発話はIVRシステム側でグラマ構文により検証・分析されてからBotに送信されます。
Kore.aiは以下のグラマ構文をサポートしています。
- Nuance
- Voximal
- UniMRCP
それぞれに個別の設定が必要です。
Nuance
Nuance音声認識システムのグラマ構文を使用する場合は、ライセンスが必要です。Nuanceでの登録が完了しライセンスを取得すると、dlm.zipとnle.zipの2つのファイルにアクセスできるようになります。このVXMLへのパスがBotにアクセス可能であることを確認してください。
設定:
- [トランスクリプションを有効化] を [いいえ] に設定します。
- [グラマ] セクションで、
- 必要に応じて [音声認識] または [DTMF] のオプションを選択してください。
- vxmlを定義するテキストボックスに、xvmlからdlm.zipファイルへのパスを入力します。URLは次のようなフォーマットになります。
http://nuance.kore.ai/downloads/kore_dlm.zip?nlptype=krypton&dlm_weight=0.2&lang=en-US
- ご利用の設定に基づいて、上記パスを置き換えてください。
- 言語コード「lang=en-US」はご利用の設定に基いたものにします。
- さらに、
nle.zip
へのパスを追加するための [グラマを追加] します。上記記載の手順に従ってください。 - 設定を [保存] します。
Voximal/UniMRCP
Voximal または UniMRCP のグラマ構文ルールを使用する場合は、トランスクリプションのソースを指定する必要があります。
設定:
- [トランスクリプションを有効化] を [はい] に設定します。
- 以下が表示されている [トランスクリプションエンジンのソース] テキストボックスで、
- Voximalには「builtin:grammar/text を入力します。
- UniMRCPには「builtin:grammar/transcribe」を入力します。
- 上記のトランスクリプションソースのURLが音声認識の構文とグラマ検証を処理するため、 [グラマ] セクションは空欄のままにしておくことができます。
- 設定を[保存]します。